響鬼

 なんとも評価に困る内容でしたな。

 明日夢くんの父親について言及したのはいいと思うんですよ。なんで明日夢くん家が母子家庭なのかって、結局ヒビキさんに明日夢くんが漠然と惹かれる理由みたいなものではあったと思うんですけど、確かに話としては真空状態というか、触れられてないことが言われてみれば確かに不思議な場所でしたね。
 しかしその消化法っていうか…何の為に話に出したの? って感じなのがちょっと理解不能。最終的に明日夢くんが犬小屋作っちゃうのも、気持ちは分かるけど作品のテーマの誘導としては正直「?」っていうかそれやって何になるの? ってやっぱり思ってしまう。なんだかつまんない代償行為で重要な明日夢くんの中の「父親のイメージ」とかそういうものを一旦消化してしまってよいのでしょうか。(このへん響鬼公式ページのあらすじ読むとグダグダです。まあ真っ正直にとるのかという話はあるのですが、犬小屋を作ることが「明日夢なりの父親を超えることなのだった」ってあーた…有り得ませんから!)
 京介についてはもはや理解不能。なんていうか、最終ボス用のキャラですか? という感じ。それまずいと思うんですよね。若者ですよ、少年ですよ? 彼を殴り殺すんですか? という感じ。しかもあそこまで「狂っている」と和解とか理解とかそういうものが想像できない。俺のものになる発言も、もはやレトリックではなく「電波」です。あれは視聴者の求心力にならない。井上氏のある意味才能のなさの伺えるところ。まあ、京介はこういってはなんですが俳優さんが酷すぎて多分セリフがまともでもまともに見えないのがアレなんですが…。
 他の細かい部分では例によって電話呼び出し→到着という井上ワープを使ってますし、ここらあたりは細かい話ながら考えろよとしか言いようがありませんね。明日夢くんの感覚の消化のしかたといい、やっぱり井上敏樹という人はある意味天然なんじゃないかなあと思いますね。
 そして次回パワーアップアイテムが出てきますが、結局宅配便と同じレベルじゃねーかよ! と思いました(笑)。布施さん作ったんじゃBOARDの所長と一緒ですよ。ただ、新デザインの童子と姫は響鬼らしい感じで格好よかったです。

 ぶっちゃけ、方向性は間違ってないのかな、と感じました。ただ脚本がマズイ、というかちぐはぐ。リーゼントの主人公のギャルゲーを見ているような気分です。細かい台詞回しひとつで話が一気に嘘くさくなってしまったのも感じますね。なんとかならないかなあって感じです。

 なんだか、種は監督がおかしくて脚本は割と平常なんですが、響鬼は逆になってしまった印象ですね。