猫耳団の構成

 猫耳団はご存知のとおり、ミャウをボスにした野良猫の集団です。リトルモニカの野良猫のほぼ全てが何らかの形で猫耳団に関わっています。が、実は猫耳団はかなり流動的な組織です。
 まずボスはミャウです。ミャウは猫たちのトップに立つ存在ですが、実のところ敬われたり崇拝されたりはあまりしていません。またボスと名乗っていますが、威厳があるわけでもなく、あんまり恐れられてもいません。彼女は人間との間の調停役であり、唯一経済力を持った存在であるため、人間相手のスペシャリストとして特別視されているところはあります。が、多くの猫がミャウに抱く一番の感情は、『親バカ的愛』なのです。
 猫にとってミャウは初めこそ年上の、体も大きい、尊敬に値する存在なのですが、彼女は猫に比べはるかに年を取るのが遅いですから、だんだん猫との立場が逆転していきます。そして最終的にほとんどの猫はミャウを『娘』として見るようになります。
 これは猫耳団結成の事情にも関わることで、元々猫耳団は、猫の言葉を理解する不思議な子供、つまり妖精界から強制送還を喰らったミャウを、一握りの非常に賢い猫がほおっておけず育て始めたところから起こりました。この、猫一匹を育てるよりはるかに手がかかる子供を育てるため、猫は高度な分業をこなすようになり、それが猫耳団の前身になったのです。
 今でもそのときの猫の何匹かは存命しており、猫耳団で最も権力のある存在になっています。とはいえ、現在はミャウに希にアドバイスするだけにとどめており、あまりうるさく口出しはしません。
 次に猫耳団で力があるのが、子供を抱えたメスです。ミャウの生活保護を受けているのは、ほとんどこの母親たちです。しかし実際はミャウの限られた経済力で援助される母親はほんの一握りで、多くの母親たちは自活しています。しかしミャウは同じメスの先輩たち(ついこの間まで子供だったメスもいますが)と話すことが好きで、自分の住処の周囲に彼女たちを住まわせています。ミャウの性知識や出産(母親になること)への憧れは、彼女たちに植え付けられたものです。
 前述の通り大部分の母親、それに成人(成猫?)したオスは、猫耳団員の意識は持ちながらも、普段は野良猫らしく自活して生活しています。猫耳団ではメスの力が比較的強く、また仲を取り持つミャウの存在があるので、猫も一夫一婦にかなり近い状態になっています。そのため、オスとメスが出産後も近い距離で生活したりもしています。
 ミャウが連れ歩く実働部隊の多くは生まれたばかりの若い猫たちです。彼あるいは彼女たちは、素直にミャウをすごい存在として尊敬しています。またミャウと行動していろいろなものを見るのが楽しいので、若い猫たちにとってミャウの部下(?)になることは重要なことです。この期間に多くの若い猫はミャウと姉弟、姉妹的関係を育み、将来の猫耳団の結束を強くしていくことになります。