ヲタ文化のガイダンスとは

 以前からここでも何度か書いていたり、気になっていた話題。それはネギまはなんであんなに説明するのか?ということ。各所で意見を交し合ったところ、結論としてはやはり赤松健という男は、上ないし同じ目線の人間ではなく、下の人間を見てモノを作っていると考える他あるまいという結論に達しました。そう、ネギまというのはまぎれもなくヲタ作品ではあるものの、ある意味エクササイズ教材のようなところを狙っているのではないかと。それは、たまたまそうなってるわけでなく赤松健という人の計算なのではないかと。
 実際のところ、ネギまというのは面白いバランス感覚を持った作品で、一番それが端的に現れているのが、萌えと燃えの展開が交互にやってくる点です。もちろんこれは萌えだけでも食傷気味になるヲタの為の飽きさせない工夫とか、ただ単に赤松氏がバトルものっぽいのもやりたいだけとかそういう想像もできますが、作品に一般性を持たせる(パイを広げる)ためにこそ組み込んでいる可能性も捨てきれません。*1
 とすれば、ヲタ的にはまったくもって説明的すぎるあの解説群は、そういった層への配慮、と言えるのかも知れない。かくいう私も、昔読んだアップルシードにあった「アーキテクチャが無事ならいい!」という単語を当時理解することができませんでした(脚注があっても感覚的にピンとこなかった)。

 ここでの論旨は別に赤松健を持ち上げることではなくって、「これから入ってくる年代」にどういうアプローチをするのか、という点に「ネギま!」で感じたことを考えるうちに思い至った、ということなのです。ですので、そこを発端に、さらに深い話になっていきました。
 例えば、それはうちの業界ではどうなのか。(あ、18禁ぽいネタになってしまうな^^;)

 名は伏せますが、ア○ルの何がいいのかさっぱり分からない、という人がいます。多くの人は漠然と何がいいのか思い浮かべることができるのではないでしょうか。しかしそれって、言わば「たくさん漫画を読んだのでなんとなくお約束が分かる」ということではないのか、とも言えそうではないですか? 実際になぜ好きか、と説明できる人、また漠然と分かっている人はそれはそれで構わないのです。私もなんとなく分かった気になっています。だから、自社ゲームでそれを商売として利用するわけです。が、アナ○が分からない人には商売になりません。ヘタをすると自分でパイを狭めることにもなりかねない。
 ではそこでどうするか、と考えてみます。とりあえず他のユーザーのことは心の棚に仕舞わせていただいて、ア○ルの分からない人に売る方法です。素直に言えば要するに分かるように作るってことだよな、つまり分かるように説明することだ、ということになります。
 しかし話は続きます。アナ○が大いに市民権を得たとはいえ、特殊嗜好であることは確かだ。では、万人が望みうる最大公約数的な嗜好で、ゲームは作ることができるか? ぶっちゃけ、ア○ルもない、挿入行為だけ、純粋に普通にエッチがしたい男の人が購入を検討するエロゲー。言わば、望みうる最良の「最初のエロゲー」ってどんなだろう。

 アリステイルを作っているとき私や赤丸氏の中にあったのは「エロはまだ可能性がある。次の5年のパブリックドメインなネタになるようなエロのラインを引こう」ということでした。しかしアリステイルを基本ラインとしてしまうと、上記の人いわく「分からん」ということになります^^; 今度は足元を見るべきなのかも知れない、とも思ってしまうわけです。

 その辺あたりは何か考えておくべきかも知れないなあ、でも今週もネギまは結構面白いなあ、などと思う水曜日でした。他にもアツい議論とかありましたが、面白いものがあれば、また。

*1:ただ、明らかに女の子を商品としている=受け手に「可愛い女の子欲しい」と自覚させるヲタ向け美少女カタログ作品は、格好つけたい若年層にどう響くか未知数ですが^^;