花梨・アナザーストーリー

 初恋の高鷺花梨には、本編にあるような話になる前のストーリー案がありました。
 物忘れの激しい花梨には日記をつけるという実益を兼ねた趣味があり、稔と出会って惹かれていく間のことも日記につけていました。花梨の体の取り替え時期が来て記憶を失ってしまった後、花梨は自分のつけていた日記を姉の日記として父親から渡され、そこに登場する稔に惹かれていきます。
 そして彼女はその稔によく似た少年(当人な訳ですから似ているのは当然)を見つけ、遠くから見ているうちに惹かれていき、最後は思い切って声を掛け、交際を申し込むのでした。
 この展開がボツになったのは、既にあった小桃や柚純のストーリーとどうしても被ってしまうからでした。ハッピーと言いにくい展開がスタッフに受けなかった理由もあります。しかし個人的には、記憶を失った後の、日記帳で恋をする花梨という元・花梨とのギャップは面白そうだったなあ…とちょっと勿体なく感じたりするのでした(笑)。

 おまけ。初島稔は、最初果実のイメージ繋がりで「実」でした。しかしそれだと「みのるは」と「じつは」の区別がつかず読みづらくなってしまうので、稔に変わったのです。